21.04_22-1. 2. 5. 8. 11. 12. 16. 18. 19. 27. 28. 30. 33. 34
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三面の軒を壊します。
私は明日シートをかけるための縄とあるきをぐしの下にとりました。万能を使って一人で歩き縄をとるのは初めてです。足元が小さな凹凸しかなく、それをいちいち移動させながら進むので全身の筋肉を使います。フィンランドでボルダリングジムに通っていた頃を思い出しました。その間に軒の作業は溝になっていた部分の修正も合わせて完了していました。
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昼休憩中に、江戸さんから話があるとのことで渡辺さんと3人で話をしました。牧田はもう少し地走りの仕事に集中した方がいいのではと言う話でした。地走りもまだ学ぶことがある、と言うことです。これは牧田がまだ十分に地走りの仕事ができていないからなのかと思い聞くと、そうではないようで、だとすれば女だからなのだろうかと思うほかありませんでした。これは聞けませんでしたが、一度そう考えると悔しくて仕方がありません。
— r3_0702 追記
これは弱音です。自分の未熟な部分を出してしまったことを反省してお詫びいたします。
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この日はとにかく地走りを徹底し、なるべく上の二人の手を止めないように気をつけました。さすがだな、と思います。どんどん進みます。
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水切り茅を江戸さんと拵えました。
風土記の丘での茅ごしらえは気持ちがいいです。茅ごしらえの作業も好きだし、やっぱり施設の雰囲気がとても好きです。音もいいし、温度も、明るさもいいです。一生懸命やっていても、気持ちは穏やかです。
(別の地域で同じく茅葺見習いをしていた女の子がそこを辞めてしまったそう。他人事ではないから少し怯える。)
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三面の水切りを渡辺さんと江戸さんでつけていきます。三面の隅が面白いです。妻側から段差が平側へ流れ込むように曲線で消えていきます。「花が回った」と渡辺さんが言っていました。花びらのように、丸みが有機的で立体となって回っているから、こう言われるのもスッと理解できます。道具や材料の呼び名は、毎回漢字変換に困りますが、なんとなく名付けられた感覚がわかるような気がして、小さく感動します。
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平葺は矛(ほこ)の間隔が広かったのですが、4枚で葺いても伸びてしまいました。単純に並べた茅が薄かったのかなと思いましたが、渡辺さん曰くこの部分は「高い」そうで、あまりがぎで突かないんだそう。いつもこの「高い」は、「張ってる」とか「上がってる」とかと違う使い方をされていて不思議でした。「高い」は、勾配を見る時に標準より高めに設定して葺いていると言うことだと理解しました。今回新たに葺いている横には前回葺いた箇所があり、その形に合わせて葺く必要があります。下からだけでなく横からも見るようにと注意を受けました。
(屋根に上がって作業をしなければわからないことが山ほどある。)
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廣山さんとお会いするのはワークショップ以来で、相変わらずお元気そうで何よりでした。
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刈り込みは一緒に作業に混ざります。
それでもすぐやり直されて私は加わらないほうが早く進むのにな、と思います。
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途中から刈り込み作業から私は抜けました。調整が難しいことと、箒で履いたり下すながらを受け取る仕事についた方が良さそうだったからです。限りなくできることはいつまで経っても少ないです。
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軒を刈るにあたり、水切りの厚さを調整するために小さな水切り茅を拵えました。この日は作業を進めることだけ頭を使い、それ以外は何もできませんでした。いつもなら新しい工程を見ると、嬉しくて仕方がありませんが、自分ができる限りなく少ないことを探して探して、なんとか時間を潰すようでした。
軒の刈り込みを少しやらせてもらいました。やっぱりどんなにヘタクソでも作業ができることはこんなに体が楽になるんだなと思いました。
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鳥が茅を引っこ抜かないように糸を張りました。裏おし用の竹を使いながら屋根の途中で引っかからないように端から端まで張ります。みんなの共同作業で、少し嬉しくなります。渡辺さんが引き続き西面の刈り込みを行います。三面で「花が回った」部分が綺麗になって、清々しい気持ちになります。
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少し刺させてもらいましたが、またやり直してもらいました。でも本当に少しだけど、見ているだけでは全くわからない難しさや感覚を体験できたことが嬉しくて、こうやって合間合間で覚えていくしかないんだなと思います。
刈り込みはあっという間です。ながらがどんどん外れていきます。最後に叩いて調整して、綺麗に掃除をしてこの現場を納めました。